作業事例の紹介(ブログ)
2024年03月02日

販売車 ディスカバリーⅡ 前期モデル LT56A 納車整備の状況

当店で相変わらず人気のディスカバリー2をご成約頂きました。

端正な顔つきとオレンジのウィンカーレンズが特徴的な前期モデル。

絶対的な流通量が減っています。

外装及び内装などの部品も国内無しに留まらず生産終了などのアナウンスもあるので姿、形を保っているだけでも貴重な1台になってきました。

それでも主要機関、エンジンや足廻りの部品はイギリス本国にまだまだありますので延命して維持することは可能です。

前置きが長くなりましたが、当店で販売した車両の納車整備の状況を画像とコメントを含めて一部だけですがご紹介いたします。

エンジン不調の状態から吸入しているエア経路に問題があると仮定して状況の確認と対処を進めます。

エアエレメントが汚れています。まぁこれは普通ですね。

スロットルバルブのバタフライに汚れが付着しています。

表面が汚れるのはそこまで影響ありませんが、密閉する能力が下がるとアクセルに対する応答が悪くなったり、アイドリングの不調などを引き起こします。

ブローバイガスによってまた汚れてしまうのは分かっていますが、不調の原因を探るには周辺のリセットが必要になります。先のエアエレメントの交換も然り。

こちらはエアバルブですが洗浄してスッキリさせます。車の整備してる、て感じです。

この様な画像を残しておかないと、外見だけではどこまで作業したのか、組んでしまうと分かりません。

今回のケースでは、エア流入経路の洗浄を行いましたが、データで見る数値に変化が見られず、流入エアの状態を測定しているこの部分エアマスの不具合でした。交換して元気なエンジンに戻りました。

洗浄の効果もありアクセル操作に敏感に反応する気持ちよさを取り戻しました。

余談ですがディスコ2は元々アクセルに敏感に反応します。

その操作に応えるエンジンは現代のように燃費とか環境とかほとんど考慮せずモアパワー、モアトルクを再現したV8エンジン。

もちろん発熱量や静粛性、燃費のロスなどもあるのですがこの大きなボディをストレスなく加速させるトルクフルなV8とアクセルに機敏に反応するリニアな特性が相まって抜群の乗りやすさが人気の理由かと思います。

大きなボディをストレスなく加速するならば、当然ながらブレーキ性能もそれなりに求められます。

最重要保安部品でもあるブレーキは、過去にメンテナンスを怠っていた場合はしっかり手を掛けたいポイントです。

この車両もダストブーツが裂けてしまってます。

これを見て見ぬフリはできませんので整備を実施します。

リペアキットにてブレーキメンテ完了。

ローターの摩耗も進んでいましたので交換しました。

さて、もう少し状態の確認などしなければなりません。

※上の画像は分解前ではなく組み立て後になります。

ボールジョイントの状態が酷すぎます。

このあたりの整備になると作業可能な店を探す必要があります。

ここまで来たらもうあとは進むのみ!シャフトも降ろしてブーツの交換。

この内容で普通に依頼したら結構まぁまぁな費用かかります。

具体的には車種を問わなければ中古車1台購入できる位ですかね。

簡単に作業している様に映りますが実際には特殊工具が必要です。

ボールジョイント部のブーツは破れていると車検に受かりません。

ブーツの役割は中にあるボールジョイントをグリスで封じ込めるためで、破れたらグリスが出てしまい水が侵入、そのまま放置するとサビが進行して最悪折れる様に損傷します。

ジョイント部分だけ見ると小さな部品ですがそこに接続されているアームやナックルなどを見ればその重要性が伺えます。

お伝えしたい事としてはこれらの作業に対し追加で費用をお願いしてません。

販売時の金額、Goo-netなどに掲載している金額で行っています。

当然ですが当店も仕入れた車両金額にこの様な整備費用を含めた上で、利益を乗せて販売していることは否定しません。

ですがその市場価格に便乗して利益だけを乗せている車両も多く見受けられます。

何が言いたいのかと言うと、こういった整備を行わずに納車される車が存在しています。

先にもお伝えしましたが、工具や設備、経験と知識がないと無理なんです。

ブーツの破れは車検に受からないとも記載しましたが、抜け道があります。

これは別の車両(同じディスカバリー2)から外したボールジョイントです。

破れたブーツをコーキングで塞いでいます。(画像左側)

車検に受かるためが目的ならこれでも受かるみたいですが、果たしてこの状態が安全と言えるでしょうか。

購入時の候補には皆さん外装の状態とか本革シートの状態とかガワで判断されていると思いますし、私だって屋根の塗装がハゲていたら気になるものです。

だけど今後維持していく上で見過ごすことの出来ない今回の記事みたいな内容っていざ車検の時期とかになって見積もりをもらうまで知ることは無いと思います。

 

お店選びって大事だと思います。

 

なので、選ばれるお店になりたいと心から思います。

 

ここまでの内容は納車整備の約半分です。

次回に続きます。