2021年12月26日

車の冷却水の役割とは?クーラント液の補充や交換の仕方などを解説

車の冷却水の役割で最も重要なのが、オーバーヒートを防ぐことです。また冷却水が漏れてしまうことで、オーバーヒートが起こる可能性もあります。愛車を守るためにも、冷却水は適切なタイミングで補充または交換しましょう。今回は、冷却水の補充や交換方法について詳しく解説します。

1.冷却水(クーラント液)はなぜ必要か?

車の冷却水は、エンジンがオーバーヒートしないためにも必要で、「クーラント液」ともよばれます。冷却水に求められるのは「冬場に凍らない」や「エンジン内のサビや腐食を防ぐ」といった役割です。

エンジンは長時間使い続けると、内部の摩擦や燃焼で高熱が発生します。放置するとオーバーヒートの危険があるため、冷却水が必要となります。

1-1. 冷却水を選ぶ

冷却水は冬でも凍らず、青やピンクの色がついているのが特徴です。新型車には青とピンクの2種類が使われることが多く、「スーパーLLC」という名前がついています。「スーパーLLC」は寿命が長いため、大変重宝されています。ただ、どの冷却水を選んでもメンテナンスは必要です。

1-2. 冷却水には色がついている?

冷却水には、赤や緑、青、ピンクの4種類の色がついています。なぜ色がついているかというと、エアコンから排出された水と区別できるからです。冷却水は経年劣化し、ホースに亀裂が生じるなどして液が漏れだすこともあります。そのため、タンク内の冷却水の量が確認しやすいように色がつけられています。

2.車の冷却水補充の4ステップ

冷却水を交換するときは、車の下に潜り込み、ラジエーターから液を抜きます。危険が伴う作業でもあり、ラジエーターから出る分だけでは足りない場合もあります。自分で行うためには知識や経験が相当必要になってくるため、基本的にはディーラーか整備工場などに依頼することがおすすめです。

2-1. エンジンの温度を確認する

エンジンが完全に冷えていない状態で作業すると、冷却水や蒸気が高温になっているのでとても危険です。車の下というだけでも危険な作業なので、火傷を防ぐ意味でも、エンジンの温度が冷えていることを確認することから作業が始まります。

2-2. タンクの外側からも確認

冷却水の量を確認するには、リザーバータンクに記載されている目盛りを確認します。タンクによって「MAX / MIN」もしくは「FULL / LOW」と書かれています。両端の間に冷却水があれば、正常な数値ですので補充の必要はありません。冷却水には色がついているので、タンク外側からでも簡単に確認できます。

2-3. じょうごを使って冷却補充

冷却水はじょうごなどを使うとこぼれる危険性も減り、スムーズに補充できます。もし希釈して使うタイプなら、容器を別に用意し、薄めた液を中に補充します。ボトルから直接注ぐと計るのが難しくなるので、別の容器を使う方が確実です。

2-4. 空気混入を防ぐ

車の種類にもよりますが、冷却水の補充の後に、液内の空気を抜く作業が必要になることもあります。まずラジエーターのキャップを外し、エンジンをかければ、冷却水から空気が抜けます。

もし空気が混入したままで放置すると、エンジンにダメージが出る可能性もあるので、忘れずに行うことが重要です。エア抜きが必要かどうかは、冷却水の泡が出ているかどうかで確認できます。

3.車の冷却水の交換の4ステップ

冷却水の交換の頻度は、補充と比べて少なめです。ただ冷却水が濁るなど汚れている場合は、交換しておいた方が安全でしょう。冷却水の交換はセルフでもできますが、やはりしっかりとした知識や経験が必要になってくるためディーラーや整備工場に任せた方が安心です。

3-1. エンジンが完全に冷えているか確認

冷却水の交換時は、まずエンジンがしっかりと冷めているかを確認します。上記でも紹介したように、熱い蒸気などで火傷の恐れがあるからです。交換するときには、必ずエンジンの温度を確認してから作業に移ります。

3-2. 水の取り出し時にはコックに注意

冷却水の交換では、タンクからすべて抜く必要があります。ラジエーター下部にあるコックをゆるめて冷却水を取り出します。冷却水が抜けたのが確認できたら、また忘れずにコックを閉めます。

3-3. 真水で洗浄が必要

冷却水が抜けた後、新しい液を入れるのは汚れを取ってからです。汚れをとるためには、真水を使って経路内の洗浄を行います。洗い方は、真水をタンクの80%以上まで入れてからエンジンをかけます。

エンジンの洗浄にかける時間は3~5分程度です。洗浄が終わったら、タンク内の水はすべて交換するようにします。

3-4. 新しい冷却水の挿入

タンク内がきれいになったら、新しい液を目盛りの基準値まで注ぎます。冷却水の漏れの有無はもちろん、水の量なども確認し、キャップを閉めれば終了となります。また空気を抜いておかないとエンジンが傷みますので、こちらも忘れずに行う必要があるでしょう。

4.冷却水漏れに気づいたら?

冷却水が漏れたと思ったときには、すぐに車を停止させてください。もし運転中に漏れを発見した場合は、安全な場所まで移動させてからエンジンを切ります。ただ、冷却水の量を確認するのはエンジンが完全に冷えてからです。

エンジンが切れてからすぐに確認すると、火傷の危険性があります。エンジンを一時停止させ、エンジンが冷えてから、改めて水の量をチェックしてください。

冷却水が漏れていないかも確認し、水温の異常や匂いがおかしいときは整備工場で修理してもらいましょう。くれぐれも液漏れのままで運転を続けないようにしてください。

5.まとめ

冷却水が必要な理由や役割、種類、補充方法、交換方法などを紹介してみました。車の冷却水は適度な交換や補充が必須ですが、危険が伴う作業でもあります。車の下に潜る作業に不安を感じた場合や自分でできないと感じたら、すぐにディーラーや整備工場でチェックしてもらいましょう。

もし車の冷却水の補充などを依頼したい場合は、ぜひ一度「株式会社MEMBERS FACTORY」にご来店ください。輸入車の整備に実績がある当社で、冷却水の交換や補充などお手伝いします。ご用命の際はお気軽にお問い合わせください。